買収される側の立場を考えたことがありますか?

tomockyです。

私は今、大手IT企業に在籍していますが、去年の5月まで中堅クラスのIT企業に所属していました。

その会社を辞めた理由は

  • 将来、経営者となる為には、上流工程の経験が必要で、それに関われないような状況を打破したい
  • その当時いた現場のモチベーションが低く、鬱病でダウンする人が後を絶たなかった
  • 自分のいた会社が(現在の会社とは別の)大手同業者に買収され、給与体系が変わった

になります。

さて、ライブドアの買収に対し、ニッポン放送は反対の表明を出しました。
ライブドアの目的が曖昧で破壊主義的な「侵略」に対する抵抗という理由もありますが、それとは別に所属する企業グループが変わることによって、給与体系が変わってしまうということも言われています。

ニッポン放送ライブドア系列となった場合、当然、経営方式や人事給与のあり方がフジサンケイグループ方式ではなく、ライブドア方式となりますから、ニッポン放送の従業員にとってはある意味死活問題に繋がります。
特に、懸念されているのが、ライブドア系列になることでニッポン放送従業員の給料が下がるということです。
ライブドアの給与体系はどうなのかは知りませんが、聞くところによると、ライブドア従業員の給与はフジサンケイグループに比べて低いそうです。
つまり、ライブドア系列になることで、今までより給料が安くなり、従業員の資金計画に多大な影響が出てしまうという恐れがあるのです。

実は私自身、自分の所属していた会社が買収されたことによって、資金計画に影響が出てしまいました。

私は以前いた中堅IT企業を一昨年の秋頃から辞職することを検討していました。
大手生保2社のシステム統合の仕事が丁度一昨年の12月に終わるため、12月のボーナスを受け取ったら、辞表を出すつもりでした。
ところが、その仕事が終わる1ヶ月前に、次の仕事が決まり、しかも、当時未経験だったJavaのプロジェクトだったので、辞職時期を延期し、昨年の6月に夏のボーナスを取ってから辞表を出そうと考えました。*1

しかし、昨年3月に、私の所属していた会社が大手のC社に買収されました。
これに伴い、社長を始めとする経営幹部が半分くらいC社からの派遣役員に変わりました。
そして、従業員としてインパクトが大きかったのは給与制度が大幅に変わってしまったことです
具体的にどう変わったのかと言いますと、給与の計算時期が「前月1日〜末日」から「前月21日〜当月20日」という形に改められたことと、ボーナスの支払時期が、従来6月半ばと12月半ばだったのが、7月と12月に変わったことです。

特に、前述の如く「6月の夏のボーナスを取って退社」としていたので、これにより資金計画が大きく狂わされました。

その当時いた現場でしたが、3月くらいまでは普通にやっていけたのですが、途中でプロジェクトが凍結したこともあり、4月からは殆どまともに仕事をしていなかったことや、この現場の元請けが内部告発本の出た某大手電機メーカーであるせいもあり、やたらとモチベーションが低く、鬱病でダウンする人が多く、今すぐ辞めたいという気分に駆られたという惨憺たる状態でした。
それでも、何とか6月のボーナスまで我慢しようとしていたのですが、昨年の5月にこの給与体系変更でボーナスが7月に変わるという知らせを受け、いてもたまらずに辞表を出しました。
5月での辞職は契約期間を全うしていない状態だったのですが、途中でプロジェクトが凍結になるなど、まともに仕事がなかったので、インパクトはそれほどなかったようです。*2

尚、退職金は勤続約6年だったのでそこそこ受け取れましたが、ボーナスは当然貰えませんでした。

少し長くなりましたが、要は、自分の所属する会社が余所者に買収されると、資金計画に大幅な狂いが生じるというのはこういうことなのです。

また、給与体系の変更は、住宅ローンや自動車ローンの支払いにも影響が出ます。
こちらの方が、一般のサラリーマン的には重要な問題ではないのでしょうか。

こうした被買収企業の給与体系変更問題に対する配慮が、ニッポン放送買収を巡ってライブドアを盲目的に擁護する人達において欠如しています。

*1:仕事の契約期間的にも6月の退社で丁度良いし

*2:但し、突然の辞表提出だったので、それに伴う混乱はありました。