マードック式経営はCSRを軽視する危険がある

tomockyです。

日本経団連ではCSR*1活動の一環として、「企業行動憲章」というものを出しています。

凶悪犯罪と外交問題で嘗てない内憂外患に晒されている今の日本において、「個人の自由」より「公共の福祉」が尊ばれています。
CSRはそうした時代の要請に応えた、荒んだ時代における福音として注目を浴びています。

CSRとは企業版「利自即利他」の考えで、仏法真理に適っています。
利自即利他とは、自分の目的と相手の思惑が一致しているという状態で、「7つの習慣」で言うところの「Win-Win」そのものです。

そうした「Win-Win」の考え方に対して、未だ、マードック式経営―「Win-Lose」の考え方で動いている企業が少なくありません。
ベンチャー企業として名を上げてきた、ソフトバンク楽天、そして、このblogのあるライブドアは、将にマードック式経営でのし上がってきた会社です。

マードック式経営とは、

  1. 買収・合併を有力な手段とする。
  2. 人を出し抜いて、新しい事業に果敢に挑む。
  3. 事業成功のためには、いかなる手段も辞さない。
  4. 新聞なら部数、テレビなら視聴率を、メディア・ビジネス成功の価値観としている。
  5. 事業を国際的な視野で展開し、その事業は全世界にまたがる。
  6. 事業領域の拡大が、映画、衛星多チャンネル・デジタル放送、電気通信、インターネット、データベース・サービスなど多岐にわたる。

です。
CSRに一番反しているのは、真ん中の2つです。

成功のために手段を選ばないというのはSF小説に登場する悪人の原理で、仏法真理に反しています。

正当な目的を達成しようとするなら正当な手段を選ぶこと、これが「公共の福祉」を尊重する時代にあるべき価値観です。

また、発行部数・視聴率絶対主義は、拝金主義に結びつく悪魔の原理です。
こういう考え方があるからこそ、私が過去から問題視しているマスコミの横暴が起き(過去の記事参照)、それに対抗しようと「表現の自由」の制限(過去の記事参照)が検討されようとしているのです。
マスコミの横暴にせよ、船田元氏らの動きにせよ、「Win-Lose」のパラダイムによって動いていることに変わりなく、「Win-Win」の時代に即していないものに他なりません。

今、ライブドアは、ニッポン放送社員から反発を受けています。
私から言わせると、これはライブドアの「侵略活動」に対する警鐘に他ならないです。

ライブドアは、ニッポン放送買収という博打に、背水の陣で出ています。
このような危険な博打に出ることによって、ライブドアの経営が傾く危険を指摘する人も少なくありません。

堀江貴文氏を始め、ライブドア経営陣・株主の方々においては、「保守的な抵抗勢力」の意見にもっと耳を傾けるべきです。
いつの世も、最後に危機を救うのはこうした「保守的な抵抗勢力」なのですから。

「メディアとITと金融界のドンになりたい」などと反CSR的発言をしている場合ではありませんよ。堀江社長
いつかは、貴方が「第二の堤義明」になりかねませんから。

*1:企業の社会的責任