光市母子殺害事件に関連する前提知識

1.おさらい

話題に入るに当たり、まずは事件についてざっとおさらいしておく必要がある。
事件は1999年4月14日に山口県光市で起きた。
その内容は女性(当時23歳)とその娘(生後11カ月)が、当時18歳の少年に殺害された事件である。
詳細はこちらに譲る*1

2.事件に関連した出版物等

この事件に関連して、被害者の遺族である本村洋氏は「天国からのラブレター」という書籍を2000年に出版し、2007年には映画化もされた*2
但し、この作品は直接この事件を取り扱ったものではない。

3.裁判の流れ

事件から8年経過しているが、まだ結審していない。
山口地裁で行われた第1審は2000年3月に無期懲役の判決を出した。しかし、死刑を求刑していた検察側が上訴し、2002年に広島高裁は検察側の控訴を棄却した。
その後、2006年に最高裁は広島高裁の控訴棄却の判決を棄却し、2007年に広島地裁で差し戻し審となった。

4.話題性について

この事件は当時18歳の少年ということで所謂「少年犯罪」のカテゴリーになるものだが、犯行が著しく凶悪で残忍であったことや、被害者遺族*3がその少年に死刑を求刑したこと、弁護人の問題の3点で大きな問題となった。

5.私自身の所感

思うに、事件内容より刑事裁判のあり方を世間に問うた事件である。
何故なら、前述「4.」で挙げたうちの「弁護人の問題」ということがクローズアップされ、懲戒請求が殺到したということがあるからである。
私は法曹を目指し、司法試験の勉強をしている身として、この事件について看過する訳にはいかないものがある。
但し、批評するべき内容が多岐に亘るため、次回以降の記事で触れることにする。

*1:但し、リンク先の内容は削除提案などがされており、公正なものとは言い難いので注意

*2:主演の本村洋役を演じたのは「仮面ライダー龍騎」で有名な須賀隆匡である

*3:本村洋氏