ネット監視サービスが盛況だが

リスク回避にネット監視活況 メールから取り付け騒ぎも

インターネットを見ていると、ありとあらゆる情報が氾濫している。
検索エンジンを使って調べると、何故か目的とする情報と無関係な情報にヒットしてしまうこともあるのだが、無関係なのにも関わらず、見入ってしまうことが屡々ある。
それはともかく、ネット上に氾濫している情報のうち、ある特定の事物に関する風評とかが一発で分かるようにできると有難いと思うことがある。
何しろ、インターネット上の1つのサイトはある特定の1つの主義主張で一貫して作られているのが普通であり、客観的に比較考量できる状態にないからである。

ネット監視は憲法違反のリスクもある

そうしたニーズに応えるべく、データマイニングやネット監視といったサービスが登場することになるのだが、このサービスも一歩間違うと日本国憲法第21条で定められた表現の自由を侵害しかねない状況を作り出しかねない。
というのも、例えば、政府の中枢を担う政治家は四六時中悪口が書かれている訳だが、筋の通った批判からピント外れの妬みややっかみに基づいた罵詈讒謗まで様々ある。
人の噂*1というものは恐ろしいもので、悪事千里と言われるように悪い風評ほど異様な速度で広まる傾向が強い。
しかも、ブロードバンドの発達でネット人口が爆発的に増えたのだから、睡眠中でさえなければ24時間あらゆる所から何時でも情報を受け取ったり、或いは発信したりすることが容易になり、余計に風評の伝播速度が増している。
更に、その悪評の発信源がそれなりに権威のある所だったりすると、その真偽性を考慮せずに広めるような輩がいたりするから、真実ならともかく偽の風評が一人歩きする危険もある。
当然、これは悪い風評を立てられている人にとって面白いことではない。
だから、このネット監視サービスを悪用してネットワーカーの表現の自由を押さえにかかる危険性が高い。
特に、政治権力を有する立場にあると、風評被害を恐れての悪用の危険性が増す。

ネット監視はマーケット開拓で極めて有用

そうした表現の自由を抑えかねない危険なものであるが、ネット上の情報の往来の監視は企業にとって、風評被害対策のみならず、マーケットの開拓に有用だったりする。
例えば、その企業の製品を利用したユーザー層を調べ、そのユーザー層により適合した商品を開発するための情報として活用することに有効活用できる。
また、消費者の立場なら、複数の企業から似たようなサービスが提供された場合、長所/短所をより客観的に見極め、より賢い選択ができるようになる可能性も秘めている*2
それを考えると、ネット監視サービスは表現の自由を封殺しかねないリスクに気を付けさえすれば、極めて有益な情報分析ツールとして用いることができる。
尤も、本当に賢いネットワーカーなら、情報の取捨選択をツールなど使わず、頭で考えて振り分けているから、下らない風評に惑わされないだろうけど。

*1:以下、風評

*2:今のところ、ネット監視は企業向けであるが