ソンな話題
vodafoneは今年10月からソフトバンクになります
先週、携帯電話を3年ぶりに買い換えたのですが、その3年前はJ-PHONEからvodafoneに変わる年でした。
私の携帯電話買い換えの年と使用している携帯電話の会社名変更の年が2度も重なったのは単なる偶然ですが、ソフトバンクによるvodafone買収は、正直、評価できません。
どういう訳か、通信関係の業務システムにばかり関わっているうちに通信業界に詳しくなってしまった私の所感を述べさせていただきます。
何故、高い通話料のNTTDoCoMoがウケるのか
最近は、au*1が安値攻勢で携帯電話業界も安値競争が続いていますが、相変わらず、NTTDoCoMoの通話料は高いです。
少なくとも、DoCoMoの携帯は安いという印象がありません。
しかし、それでもDoCoMoの携帯電話の使用環境はかなり充実しており、嘗ての国営会社だったNTTというブランド名にユーザーが安心感を持っていることもあり、DoCoMoはNTTグループの中でも最優良企業といわれています。
結局のところ、DoCoMoなら安心・便利というイメージが強いので、例え通話料が高くてもウケが良いという点を見逃してはいけません。
糸山英太郎氏の日記にも、
ソフトバンクは「安さが魅力」というのが皆のイメージだと思うが、通信という極めて重要なサービスに必要なものは「安心感や信頼感」であることを忘れている。
と書いてある通り、DoCoMoは高くても安心感や信頼感があることでユーザーからの支持を集めていると考えられます。
ソフトバンクは念願を果たしたが
ソフトバンクは買収の際、シナジー効果という言葉をよく使います。
シナジーとは利自即利他という考えなのですが、今回のvodafone買収は何か村上ファンドかホリエモンのような匂いを感じます。
村上ファンドやホリエモンの買収戦略は利自即利他とは程遠い自己中心的な買収戦略ですが、今回のソフトバンクのvodafone買収もシナジーとは程遠い野心だけを貫く浅ましいもののような感じがします。
社名が変わるとフェラーリも嫌がるだろう
私は昨年のモナコGPよりF1を見るようになったのですが*2、vodafoneはF1の名門チームフェラーリに出資しています。
フェラーリもvodafoneもコーポレートカラーは赤ですが、ソフトバンクのコーポレートカラーは黄色です*3。
色が似合いません。
それはともかく、日本人以上に古い考え方を持っているヨーロッパ人がソフトバンクみたいな企業の出資を果たして許すのでしょうか?
ましてや、名門チームであるフェラーリが許すのであろうか疑問に思います。
余談ですが、NTTはi-modeとしてルノーに出資しています。
Yahoo!BBで成功していないような通信会社が携帯電話で成功する筈がない
通信会社というのは鉄道会社に似ていて、長年培われた信頼関係即ちブランド力というものが重要なファクターとなります。
そういう意味では単なる安値合戦では勝てないということです。
結局のところ、NTTDoCoMoが高い通話料にも関わらず人気を博しているのはこうしたブランド力によるところが大きいのです。
大体、KDDIでも安値を強調しているというのに、vodafone改めソフトバンクでも同じ戦略を採られては意味がありません。
結局先に見えるのは、ソフトバンクが潰れる未来でしょうか。
DoCoMoの牙城を崩すのにauですら役不足ですから。