今更ながら総選挙の結果分析
goo:ネットの影響力は低い
この前の総選挙の結果について、一部ではblogを始めとしたネットの力だと見られているが、実はそうでもないという。
「選挙についてのブログを見た」18.3%、「書いた」も7.7%(goo)
私はこのblogでも、選挙について書き、他のblogの記事も多く見て、印象として非常に多かったように思えたが…。
因みに、goo関連では今回の総選挙においてネットの影響力は低く、テレビや新聞などの既存メディアの影響力が高いという見解を示している(参考1、2)。
ホットリンク:事前調査ではネットの影響力を評価
一方、ホットリンクの調査ではこんな結果も出ている。
【第12回ホットリサーチ】ブログと世論形成に関する調査 今回の総選挙にブログは影響を与えると思う52.4%、将来、選挙や世論形成にブログやネット上のクチコミ情報が影響を及ぼすと思う72.8%
【第13回ホットリサーチ】総選挙直前!ブログと世論形成に関する調査 ブログやネット上のクチコミ情報を活用して、選挙や政治に関する情報を収集した 前回調査に比べ7.4%UP 今回の総選挙では、政治家や各政党のwebサイトよりも、個人のブログやクチコミサイトをより多く閲覧する52.4%
としており、ネットでの世論形成の可能性を評価している。
尚、ホットリンクでは総選挙後において同様の調査は行っていないので、gooの調査の結果と逆だと結論付けるには説得力が無い。
nikkeibp.jp:7割がWebサイト活用解禁迫る
また、nikkeibp.jpもホットリンク同様、ネットの影響力を高く見積もっている。
【即問】総選挙、7割がWebサイト活用解禁迫る - nikkeibp.jp - ビジネスマンの問題意識(仕事・社会)
前述のgooの調査結果と対照的な所を抜き出すと、
- goo「『ネットから情報を得た』34%、ネットの情報が投票の決め手となったのは10%」
- nikkeibp.jp「4割強がネット経由で選挙情報収集」「政党・候補者のWebサイトの6割強が『参考になった』」
となる。
「ネットの情報が投票の決め手となった」と「政党・候補者のWebサイトの6割強が参考になった」とでは解釈の違いがあるのではと思われるが、gooとnikkeibp.jpとでは殆ど正反対の調査結果になったと私は見ている。
片方の調査結果を鵜呑みにしてはいけない
この前、阪神タイガース上場問題でアンケート調査が行われたのだが、母集団の違いにより、Yahoo!とlivedoorで賛成・反対の比率が逆転したといった話がある。
よって、上記のgooやnikkeibp.jpの片方の調査結果のみを鵜呑みに信じるのは危険である。
参考までに、今回の調査におけるgoo及びnikkeibp.jpの母集団を示しておく。
- goo
- <調査概要> 1. 調査対象:今回の選挙で投票を行ったと答えた「gooリサーチ」モニター 2. 調査方法:非公開型インターネットアンケート 3. 調査期間:平成17年9月12日〜9月13日 4. 有効回答者数:1,016名
- nikkeibp.jp
- 【調査の概要】調査期間 2005年9月14日(水)12:00〜15日(木)17:00 調査テーマ 9.11選挙を終えて、あなたはどう思う? 回収件数 2564件 告知方法 nikkeibp.jp の朝刊、夕刊メール nikkeibp.jp 総合ページ、ライフスタイルページのバナー 調査企画 nikkeibp.jp 編集/日経BPコンサルティング 調査第一部 調査実査 日経BPコンサルティング 調査第一部 【回答者属性】性別 男性:93.7%、女性:6.3% 年齢 29歳以下:6.2%、30代:25.1%、40代:30.9%、50代:20.0%、60歳以上:17.7%