スポーツの国際試合と愛国心
1.最近WBCが盛り上がっている
私は正直、野球には興味と関心がない。
最近巷ではWBC*1が話題になっているが、WRC*2と素で間違えそうな勢いだ。
そんな中、韓国国内において、日本叩きが突如として起きている。
日韓関係は歴史上色々ややこしい問題が山積していることもあり、具体的なことは触れたくない*3。
ここでは、具体的な1事件を取り上げるより、敢えて抽象論めいた話を取り上げたい。
2.スポーツの国際試合で自国のチームを応援するのは自然なこと
このWBCに限らず、オリンピックなど、スポーツの国際試合において、自国のチームの応援をしたくなるのは、余程のひねくれ者でない限り、普通に持っている感情だ。
私とて例外ではなく、基本的にモータースポーツしか興味ないが、それでもサッカーのワールドカップにしても、オリンピックにしても、自国―日本の選手を応援するのは誰からの強制でもなく、1人の国民として当然に持っているものである。
尤も、モータースポーツの世界になると、例えばF1の場合、日本企業が参加しているチームはトヨタやホンダに限らず、フェラーリにブリヂストンが参加していたり、ルノーにも「iモード」名義でNTTドコモが参加していたりするなど、意外と国籍性が薄かったりもするが。
何れにしても、相手に遠慮して余り自国の選手ばかり応援するなという愛国心をドラスティックに否定するだけの似非国際協調主義に、私は賛同できない*4。
3.フーリガン戦争は避けるべき
しかし、その一方、その愛国心が極端化・先鋭化すると「フーリガン戦争」のような事態に発展しかねない。
実際、サッカーの国際試合*5を巡って、エルサルバドルとホンジュラスという中央アメリカの国が文字通りの戦争を起こしたという事件があった*6。
戦争に突入するのは極端な話かもしれないが、今回のWBCの件も日韓両国の国民感情や歴史問題もあり、戦争とまでいかなくても紛争や暴動といった事態になる危険性を孕んだ動きで、眉を顰めるべき問題である。
4.本当の意味での愛国心の意味を考え直すとき
本当の意味の愛国心とは排他性にあるのではなく、自己主張しながらも他人の主張を受け入れることだと考えている。
つまり、相互理解こそ愛国心だということである。
感情だけが先行して、周りが見えなくなって暴走する前に、冷静に状況を把握し、適切に処することを願いたい。