薬事法施行規則改正等に係る省令の公布

1.関連サイト

一般用医薬品の通信販売継続及び安全な販売環境の整備を求める緊急会議
詳細は上記サイトをご覧ください。

2.「省令」とは何か?

定義はwikipedia:省令より。

省令(しょうれい)とは、命令のひとつであり、各省の大臣が主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて発する成文法をいう(国家行政組織法第12条第1項)。府令(現在の内閣府令及び過去の総理府令、法務府令)も、名称は異なるものの法律上の性質は省令と同じである(内閣府設置法第7条第3項及び第4項)。

要は、各省の大臣が法律や政令の施行において用いられる成文法で、国会での審議を経て成立するような性質のものではなく、内閣独自の判断で作られるものである。

3.何故、ネットでの販売を規制したがるのか?

それは、役人の持つネットリテラシーの低さから来る恐怖感乃至はそれに類似した否定的感情、或いは、秀才である自分達を差し置いて要領よく儲けているIT企業への嫉妬が原因と考える。
一部には、ネットでの販売が隆盛を極め、対面販売が衰退するという危惧から薬局(e.g.マツモトキヨシ)が政治家に働きかけて制定させたという説があるが、私はその説を棄却する。
何故なら、薬局大手のマツモトキヨシ辺りなら、その気になれば、ネットでの販売に移行することが困難ではないからである。
現に、マツモトキヨシには医薬品こそ販売していないが、「e!マツモトキヨシ」なる独自のショッピングサイトが存在する。
マツモトキヨシに限らず、大手ならばネットでの販売に移行するのにそんなに手間は掛からない。
むしろ、対面販売とネット販売の両輪でより儲かる訳だから、積極的にその省令或いは薬事法改正に賛成する理由は殆どない筈である。
また、ネットの販売が隆盛を極めることによって対面販売が全面的に廃れるというのも、考えにくい。
業種は大きく異なるが、証券取引や商品先物取引などの金融商品はネットでの取引が隆盛を極めている。
しかし、ネット専門の金融商品取扱業者が出現しても、既存の証券会社等の支店の窓口は全くなくなった訳ではない。
これは、ネットでの取引が隆盛を極めるからこそ、敢えて対面での営業を望む者が少なくないからである。
つまり、金融商品であれ、薬であれ、ネットでの取引が対面取引を駆逐することはあり得ない。
従って、ネットでの販売が隆盛を極め、対面販売が衰退するというのは暴論でしかなく、既存の薬局がネット販売を規制する動きに出る正当性は認められない。
やはり、役人の持つネットリテラシーの低さから来る恐怖感乃至はそれに類似した否定的感情、或いは、秀才である自分達を差し置いて要領よく儲けているIT企業への嫉妬が動機ではないかと思われる。

4.ネット販売を規制するのは「規制緩和」の時代に逆行するアナクロニズムである。

確かに、行動情報化社会乃至はネット社会には色々と問題点もある。
しかし、問題点にばかり固執し、その良さまでを否定するのは文化・文明の発展を阻害する自殺行為でしかない。
兎角、日本人は問題点が出てくると、臭いものには蓋をとばかりに規制させる方向に走るヒステリックな所がある。
しかし、今の閉塞感強い世の中だからこそ、勇気を出して、リスクを取り、次の時代を切り開く必要がある。
麻生内閣景気対策と称して、一向に解散・総選挙を行わない姿勢を見せているが、最大の景気刺激策は「規制緩和」にある。
正しく言うならば、無意味で時代逆行的な規制を撤廃することがデフレスパイラル脱出の特効薬である
因みに、舛添要一厚生労働大臣は大衆薬の通信販売に関する大臣直属の検討会を設置して議論する考えを示し、この検討会の結果、規制方針が変わることもあり得る旨の発言をしている。
流石に、97%もの反対と、麻生内閣の支持率よりも低い賛成では、如何に今の内閣でも方針を変えざるを得ないと痛感したのだろう。

5.楽天三木谷浩史ばかり目立たせるな

私がこんな記事を書いたのは、昨日楽天から、「医薬品のネット販売継続を求めるネット署名にご協力ください(2009/02/22)」なるタイトルのメールが来たことがきっかけである。
今、この件で一番活発に動いているのは、楽天三木谷浩史である。
聞く所によると、三木谷浩史は名刺交換した相手に向けて、昨日うちに届いたメールと同趣旨のメール*1を送付したという。
流石、この不景気にも関わらず儲かっている会社は社長の行動力が違う。
しかし、三木谷浩史ばかり目立たせても意味がない。
重要なのは、皆の協力である。
ネット上では、件の楽天の他、Yahoo!でも同様のことを行っている。
楽天でも、Yahoo!でも、その他同様のネット署名が出来るサイトでも良いので、ネット署名に協力して戴きたい。
私も、斯様な記事を書いた以上、署名をするつもりである。
Yahoo!はこちら。

*1:一般ユーザー向けはHTMLメールだが、そのような「VIP」向けのメールは通常のテキストメールらしい。