無権代理は無効
余計なことをしないでくれ
正月2日は毎年実家に帰っており、神社仏閣巡りとなるのがうちの恒例行事である。
大概は母親が家内安全を祈るのが殆どであるが、ここ最近は私の良縁成就が加わっており、正直嫌な感じである。
昨年、私が長年片思いしていた女性*1に想いを打ち明けることを得ずに、彼女が結婚してしまったこともあり、恋愛に対して今まで以上に否定的になっている。
それ故、良縁など望まないし、それ以前に望めるような環境に全くない私にとって、全く以て無意味でしかない。
余談ながら、昨年9月頃から司法試験/法科大学院の勉強を始めたのも彼女がきっかけとも言える*2。
目黒不動の母の行為は無権代理である
司法試験の勉強をしている者らしく、法律的に考えてみる。
事案は、昨日*3、目黒不動に初詣に行った際、母が護摩木*4を購入し、1本には母自身の名前で「家内安全」を祈願する旨を記し、もう1本には私の名前を記して「良縁成就」を祈願する旨を記した。
しかし、私はそのようなことを母に依頼した意思は存在せず、「良縁成就」は母の一方的な意思に基づいたものであり、無権代理による無効であると主張したい*5。
さて、無権代理とは代理人として当該行為をした者に代理権がない場合の代理行為を指す。
本件において、私は代理権を授与しておらず、またそれが第三者に分かる形ではないため、表見代理は成立しない*6。
また、無権代理人*7による代理行為の存在であるが、母が護摩木に私の名前を書いたということで、顕名がなされたということになり、代理行為は存在する。
よって、母の無権代理がこれにより成立する。
無権代理において、私が採りうる手段として、(1)追認、(2)追認拒絶権、(3)何もしないということが挙げられるが、私の意思は「良縁成就」の祈願を無効にし、「合格祈願」乃至は「学業成就」に変えたいということなので、追認拒絶権を行使することになる。
実際、私が賽銭を入れてお願いしたのは前述の内容であるため、「良縁成就」祈願の方は追認拒絶によって無効となった。
尤も、それ以前に、自分のお金でした願掛けではないのだから、無権代理云々以前に「良縁成就」は無効であるのだが。